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木のお医者さん奮闘記
「庭木選びで失敗しないために知っておくべき3つのポイント」その4

前回は庭木の種類によって、光が沢山ほしい庭木とそんなに沢山は欲しくない庭木があることをお伝えしました。
それでは、実際にどんな庭木が光を好んでいるのかについてお話しましょう。

ここでは分かりやすいので、庭木を3つに区分して説明しましょう。
それは、①明るいところで育つ庭木。②明るくても、ある程度暗くても育つ庭木。③日陰で育つ庭木。
この3つです。

①明るいところで育つ庭木としては、
代表的なのはクロマツです。クロマツは毎年の剪定を怠ると、自分の枝の陰になって下枝が枯れてしまいます。
クロマツの栄養は太陽だ!と言われるくらい光が大好きです。

クロマツの針のような葉は、光の少ない北の国において、太陽の光を最大限利用するために針になったと言われています。
太陽の光を最大限に利用するには、光の方向に対して垂直に受け止めるのが最も効率的です。
夏のビーチで直接太陽を見上げた時に暑さ倍増した経験はありませんか。
いつも、鼻の頭は先に日焼けする経験もありませんか。
つまり、太陽光を垂直に受け止めると、光の効果を最大限活用できるわけです。

クロマツの葉は針のように丸まっていますから、どんな角度で太陽光が入ってきても垂直に受け止める部分があるわけですね。

クロマツの他にも、多くの針葉樹、よく「コニファー」と呼ばれる庭木も太陽光が大好きです。
代表的なのがゴールドクレストですね。クリスマスシーズンにはよく購入されている人を見かけます。
なんだかヨーロッパを思わせる美しい三角錐の薄黄緑がなんとも美しいですよね。
ただ、どんどん大きくなっていくので、そのうち体の大きさに耐えられなくなり、徐々に倒れていってしまうのをよく見かけます。
これには、コニファー独特の根が細いという特徴が関係しています。
どにかく、大きくし過ぎないのが一番です。

とはいえ、太陽大好きで、すくすく育ちます。
しかも、枝の内側は光が入ってこないので、すぐに葉がなくなり、外側だけしか葉がない状態になります。
だから、強めに切り込むと、スカスカになってしまう。
つまり、あまりきつく切れないというジレンマに陥いります。そんな経験はありませんか?

対策としては、切り方にあります。
外側の葉の長さを整える切り方、つまり、散髪でいえばバリカンで切るようなイメージですね。
そのような切り方では、毎年大きくなってしまうか、毎年枝葉が詰まってきて、ますます内側は穴が開いてしまします。

そこで、「抜き剪定」という方法で剪定をします。
抜き剪定とは、中の枝を抜くようにして剪定する方法です。
その後、外側の形を整えます。

こうすると枝数自体が減るので、中に風と光が入りやすくなり、内側にも葉が出てくれます。
よって、大きさをコントロールしやすくなるわけですね。

画像はレイランディーの抜き剪定後の写真です。
後ろの白い壁が透けて見える程度が最適です。

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話しが少し脱線しましたね。

次回は元に戻して、光が必要な庭木の種類をお伝えします。

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